加齢が影響している

「若返り食材・ニンジン」の効能

「体を錆びさせる活性酸素」を抑える具体的な方法を紹介します。「活性酸素」はエネルギーをつくるときに発生するものですから、発生を止めることはできません。
しかし、抑える方法はあるのです。
20代の若い体なら、「活性酸素」を消す酵素が十分あります。しかし、この「消去酵素」は歳をとるにつれて減っていきます。となれば、私たちにできることは、この酵素の減り具合をできるだけ抑えることと、減った分を補うことです。
活性酸素を消す酵素はタンパク質を材料とし、亜鉛、銅、マンガンなどの助けを借りてつくられます。これらの栄養素が不足しないよう、心がけなければなりません。

とくに、亜鉛は不足しやすいので、意識してとることが肝心です。亜鉛はカキ(牡蠣)、レバーに含まれます。「活性酸素」を消去する物質は、ほかにもあります。
「抗酸化物質」、あるいは「スカベンジャー」と呼ばれています。ベーターカロテン、ビタミンC 、ビタミンE 、ポリフェノール、フラボノイドがその代表です。これら「抗酸化物質」を含む食材を、積極的にとりましょう。たとえば次の食材が挙げられます。

  1. ベーターカロテン
    にんじん、かぼちゃ、ほうれんそうなど
  2. ビタミンC
    レモン、ミカン、ブロッコリー、コマツナなど
  3. ビタミンE
    アーモンド、ホウレンソウ、カボチャ、イワシなど
  4. ポリフェノール
    赤ワイン、ブルーベリーココア、緑茶、リンゴ、ダイズなど
  5. フラボノイド
    レタス、シュンギク、タマネギ、ダイズ、緑茶、柑橘類の皮など

老化で活性酸素を消去する酵素が減少しても、意識的に抗酸化物質をとり入れれば十分、補えます。

1~5の群で、「あまりとっていないなあ」という群があれば、まず、その中から食材を1つ選んで積極的にとるようにします。「前より、少しは多くとるようになった」といった程度でかまいません。
たとえば、「コーヒーを1日に3回飲むところ、1回はお茶にしよう」と、お茶の回数を増やす、といった具合です。このように意識づけをして、それぞれの群で食材の種類を増やしていきます。全部とる必要はありません。
中でも、意識して食べてはしいのはニンジンです。英語の「キャロット」は「ベーターカロテン」が語源となっているほど、ベーターカロテンを大量に含んでいる「緑黄色野菜の王様」なのです。

ニンジンのすごい効果は、抗酸化作用だけではありません。ニンジンには抗がん作用もあり、食物繊維、ビタミンBl、ビタミンB2 、ビタミンC のほか鉄分やカリウム、カルシウムなどのミネラルも多く含まれています。どれも体を老化から守ってくれる栄養素ばかりつまりニンジンは、生活習慣病の予防にはもってこいの食材なのです。
実際、ニンジンは、昔から民間療法として、疲れ目、肌荒れ、冷え性、かぜ、高血圧、便秘、下痢、せき、夜尿症などの予防・改善に使われてきました。
ニンジンは、年中、手に入る食材ですから、いつでも手軽に食べることができると思います。ベーターカロテンは油といっしょにとると吸収力がアップするので、野菜妙めにしたり、野菜スティックにしてオリーブオイルと塩で食べたりするといいでしょう。

30代後半から40代にかけて定期検診で「血圧が高い」と診断されている人も出てくる頃ですがにんじんには高い降圧作用もあり注目です。

もう1つ重要なのは、そもそも体内に「活性酵素」をたくさん発生させないようにすることです。「活性酸素」の大量発生につながるのは、次の「五つの習慣」です。まず、第一の習慣として「喫煙」があります。

最近は「食べすぎ」という感覚が働かない人も多いようです。そういう人は、食べたい欲求にまかせてひっきりなしに食べものを口にする過食症や、何らかの胃腸障害を抱えていることが考えられます。
「食べても食べても満足できない」といった症状のある人は、専門医に相談することをおすすめします。第5の習慣として「ストレス」があります。ストレスが続くと体の機能が低下し、「活性酸素」が発生しやすい環境になります。また、ストレスに対抗するホルモンを処理するときにも「活性酸素」が発生します。
ストレスを感じる環境は、簡単に変えられるものではありません。しかし、睡眠のとり方など、日常の工夫次第で少しずつ軽減することはできます。こうした生活習慣は、すぐに変えろと言われてもなかなかむずかしいものでしょう。それでも、できることを意識してやるようにすれば、だいぶ軽減できるはずです。

体のサビをとめるのは意外と簡単

40代になると、体に「錆び」が出ます。最初の敵である「酸化」とは、いわば「体がさびる」ということです。頑丈な鉄も、長く外気にさらされていると酸素と反応し、錆びてボロボロになります。この反応が「酸化」です。自転車の車輪軸やチェーンは、錆びると動きが悪くなってしまいます。
そこで、油脂などの「錆止め」を使います。じっは体の中でも、同様のことが行なわれています。体は、食物から取り込んだ糖質(ブドウ糖) や脂質に、外気から取り込んだ酸素を反応(燃焼) させてエネルギーをつくり出し、生命を維持しています。このときに発生するのが「活性酸素」です。

「活性」とついているため、何となくいいイメージを抱く人もいるかもしれません。しかし実際には、「活性酸素」は、体に悪影響を及ぼす酸素です。というのも、「活性酸素」は細胞を構成する脂質などを「酸化」させ、傷つけるからです。そのため細胞が死んだり、働きを失ったりして、本来の役目を十分に果たせなくなるといった変化が起こります。
活性酸素は、「体を錆びさせる」のです。生きている限り、体内での「活性酸素」の発生は避けられません。と同時に、体はうまくできているもので、「活性酸素」を毒性の低い物質に変えて消去する「SOD( スーパーオキサイドディスムターゼ)」などの酵素を持っているのです。ところが、この「消去酵素」は歳をとるにつれて減っていきます。太りやすくなる40歳前後からは、この酵素の減り具合をできるだけ抑えなければなりません。

ちなみに「SOD 様抗酸化食品」は体を守るための物質としてガン撃退にも使われています。

老化を止める方法、まず「酸化・糖化・ホルモン変化」を防ぐ

人間の本来の寿命は、125歳と言われています。しかし実際は、その歳まで長生きする人はきわめてまれです。日本人の平均寿命は83歳、つまりほとんどの日本人は、125歳どころか100歳になる前に亡くなっています。

糖尿病、心臓病、脳卒中、がん…寿命を縮める病気のほとんどが、「老化」がもとになって発生します。この「もと」を抑えることができれば、寿命を縮める病気を予防することができ、いつまでも苦々しく元気でいられるのです。40代はすでに老化が始まっている自分の体が不安になってきた人は、以下の「老化度自己チェック」で調べてみてください。5項目以上にチェックがつけば、間違いなく体の老化が始まっているということです。
そして、本人が気づいていないだけで、すでに老化によって「太りやすい体」になっている人もいるはずです。

そこで、老化そのものを食い止めるようにすれば、今からでも「太らない体」をつくることができるのです。ただし、老化には「止められる老化」と「止められない老化」があります。「視力が低下した」「息切れがする」「顔にシワやたるみができた」「肌が荒れた」「髪が薄くなった」といった老化現象や生活習慣病、がんなどの病気には、「止められるもの」と「止められないもの」があるのです。

「止められない老化」とは、歳をとると必ず起こる細胞やホルモンの機能低下です。歳を重ねると誰もが避けられない老化現象ですから、止めることができません。一方、「止められる老化」とは、どのようなものでしょうか。40代を迎えた体には、「3つの大敵」があります。

  1. 活性酸素による酸化
  2. タンパク質の糖化
  3. ホルモン分泌の変化

「老化度自己チェック」

  1. 駅の階段などですぐに息ぎれをおこす
  2. 食後に胃のむかつきがある
  3. 下痢・便秘をしやすい
  4. 歯磨き時に出血する。口臭が気になる
  5. 息苦しい。または咳やたんが増えた気がする。
  6. イレの回数が増えた。またはときどき尿モレする。
  7. 喚覚、視力、聴力のうち1つでも低下している。
  8. 意欲や記憶力が低くなった気がする。
  9. シミ、シワ、タルミのうち1つでも気になる。
  10. 関節痛がある。または筋力低下が気になる。
  11. 寝つきが悪い。または眠りが浅い、早朝に目覚める