2014年 12月 の投稿一覧

太る食事、太らない食事を正しく見極める

太らない食事、太る食事を、ひとめ目で見抜く方法があります。「太らない体」をつくるには、「何を食べるか」も重要です。と言っても、いっさい面倒なことはありません。次の3つで判断できます。

  1. 使われている食材の「品目数」
  2. 使われている食材の「色の散」
  3. 使われている食材の「GI値」

1と2は、食事の栄養バランスの基準になります。人間の体はビタミン、ミネラルなどいろいろな栄養素を必要としています。バランス良くとることで体の機能が正常化します。

肥満、とくに、「中年太り」は体の機能低下で起こるのですから、栄養バランスはとても大切なのです。1の「食材の品目数」とは、たとえば、「玉子焼き」と「野菜炒め」ではどちらが品目数が多いでしょうか?

「使われている食材の数」です。「野菜妙め」とでは、どちらが品目数が多いでしょうともに「品料理」ですが、「品目数」は野菜妙めのほうがはるかに多いですよね。
玉子焼きには「卵」しか使われていません。一方、野菜妙めには「タマネギ」「キャベツ」「ニンジン」「肉」と数えていくと、かなりの数の食材が使われているらです。

こういう具合に数えて、「1日20品目」食べていれば、栄養バランスがととのった「太らない食べ方」になります。

2で重視したいのは野菜の色です。まんべんなく栄養素がとれているかどうかの判断ができます。たとえば、トマトの赤は抗酸化力も持つリコピン、ニンジンのオレンジ色はがん予防にもなるβ-カロテン、ホウレンソウの緑はコレステロールを調整するクロロフィル。
ナスの紫は高血圧予防になるアントシアニン、ニンニクの自は抗菌効果がある硫化アリルといった具合に、野菜の色は栄養素を表わしていることが多いのです。一回の献立に、五〜七色ある「レインボーダイエット」と呼ばれるような食事内容が理想的です。しかし、毎日は大変です。食習慣として、たとえば一週間単位でいろいろな色の野菜を食べることを意識してください。

3の「GI値」は、一般的には聞きなれない人も多いかもしれません。
GI値…グリセミックインデックス値=糖化指数とは食べた直後に血糖値が上がる速度を示した数値です。GI値の高い食材ほど、血糖値を急激に上げ、低い食材ほど血糖値をゆっくり上げます。

血糖値が急激に上がると、インスリンが大量に分泌されます。インスリンには、糖を脂肪などに変えてエネルギー源として蓄える機能がありますから、余分な脂肪が蓄えられることになります。
その結果、体脂肪がたまって太っていきます。

また糖を処理しきれず、血糖値の高い状態が続けば、細胞のタンパク質同士がくつっいてしまう「糖化」が進みます。「糖化」によってタンパク質がベトベトになると、細胞の働きが悪くなっていきます。つまり老化が加速するということです。だから、「太らない体」をつくるためには、GI値の高い食品を控えめにすることが重要なのです。GI値が高い食材はいっさい食べてはいけない、ということではありません。食べる量を少なくすればいいのです。どのくらいなら食べていいのかという判断基準を求めるよりも、毎日必ず飲んでいた缶コーヒーをとりあえず週2日はやめる、間食の習慣も徐々にやめていく、目の前にある大福を今日はがまんしてみるというように、食行動を少しずつ変えていくことが重要です。

「太らない体」をつくるための適切なGI値は「60以下」です。ただし最低限、次のことを知っておけば、いちいち個々の食材のGI値を調べる必要はありません。

  • 肉類、魚介類、野菜類(イモ類を除く)、乳製品はGI値が60を超えない。
  • 「炭水化物」の多くと「砂糖」はGI値が60を超える。

したがって、肉類、魚介類、野菜類(イモ類やトウモロコシを除く)、乳製品の割合を多くすること。そして、ごはん、パン、イモ類などの炭水化物と、砂糖が多く使われている菓子類を控えます。その基準は、今までよりも少しでも減らすことです。

こうして減らしていけば、自然に、あまり欲しくなくなっていくはずです。意外な亡点になりがちなのは、加工食材や外食、ジュース、缶コーヒーなどの糖分です。

自分で料理をする場合は砂糖の使用量を控えればいいのですが、これらの加工食品、既成食品で無意識のうちに砂糖を大量にとっている人が多いのです。こうした「見えない砂糖」には、十分に気をつけなければなりません。

また、同じごはん、パン類でも精白していないもの(玄米、全粒粉パン)だとぐっとGI値が低くなります。これを機に、玄米食に切り替えるのも、1つの手です。

代表的な食材のGI値一覧(穀物・パン・野菜・芋類・肉類・魚介・豆類・砂糖・菓子類など)

腹八分目で満足するために

太らない体をつくるには、まず1日に食べる「カロリー量」がポイントです。「では、自分はいったい、どれくらいまで食べていいのか? 」ということでしょう。
食べられる適切なカロリー量は、人それぞれで基礎代謝と活動量におって違います。

基礎代謝量とは、「体を維持するために使っているエネルギー量」、活動量とは、「体を動かすために使っているエネルギー量」です。
たとえばシンクロナイズドスイミングの選手たちは、1日に5000kcalほど食べています。これは200gの和牛ステーキ5枚分。
20代の一般女性の標準カロリー摂取量が、1人1800~2000kcalですから、シンクロナイズドスイミングの選手たちの基礎代謝量や活動量がとてつもなく多いことが想像できます。自分の適切なカロリー量の目安は、「基礎代謝量×生活活動強度指数」で出せます。1日あたりの自分の基礎代謝量をもっと正確に知りたい人は、基礎代謝量が測れる体重計を利用するといいでしょう。

「生活活動強度指数」とは、1日の活動量、つまり「1日にどのくらい体を動かすか」を示す指数です。「低い(1.3)」「やや低い(1.5)」「普通( 1.7)」「高い( 1.9)」の4段階があり、たとえばデスクワーク中心の会社員は、「やや低い」に当たります。

この計算式で考えると、1500×1.5= 2250kcal。それが平均的な40代男性」が1日に食べていいカロリー量です。

これが、「平日1日3食として単純に3食で割れば、1食平均750kcal。午井だと1杯分(約700kcal)、トマトソースパスタだと1皿分(約600kcal)ですので、およその見当がつくでしょう。

目安として600~900kcalの料理を常に頭に入れておくといいでしょう。

ただし、おすすめする生活改善のコツは、「無理せず、続けられること」を基本としています。「やらなければならない」という義務感や脅迫観念が、かえってストレスを生むからです。

ご存知のとおり、日本には「腹八分目」という食事量の目安があります。もちろん、あくまでも「満腹感」をもとにした、あいまいなものさしですが、じつは、過不足がないように栄養をとる、という知恵でもあるのです。日本人は元来、油を使った料理や肉料理はあまりとらず、野菜と魚が中心でした。

厳密にカロリー計算をしなくても、野菜と魚を中心にした和食を腹八分目で食べていれば、カロリーは必要量がきちんととれるものです。生活習慣化してしまえば難しくもありません。食べ過ぎは40代の体には大きなストレスとなります。注意が必要です。

日本一、男性が長生きする県・長野県の人たちも、食生活で一番気をつけていることの中に「腹八分目」があると言います。まずは「腹八分目」を心がけることから始めましょう。
少しもの足りなさを感じるくらいで、食事を終えます。
基本は、とにかく、最低20分かけて食事します。「腹八分目」は、ストレスなしで「太らない体」をつくる大切な習慣なのです。

ランチの食事のカロリー量

  • 豚肉生妻焼き定食…906kcal
  • 天ぷら定食…830kcal
  • ヒレカツ定食…830kcal
  • 鯖みそ煮定食…755kcal
  • 牡蠣フライ定食…722kcal
  • ぶり照り焼き定食…720kcal
  • 天丼…880kcal
  • 親子丼…690kcal
  • 鉄火丼…620kcal
  • オムライス…843kcal
  • ハンバーガー…600kcal
  • カルボナーラ…895kcal
  • ナポリタン…650kcal
  • レバニラ炒め定食…750kcal
  • 麻婆豆腐定食…750kcal
  • 肉野菜炒め定食…670kcal
  • あんかけ焼きそば…850kcal

太らない体は長生きする体

太らない体」をつくるには、もちろん、食事にも十分気をつける必要があります。と言っても、「ちょっとしたコツ」を覚えればよいだけです。
ここでもカギとなるのが、若返りホルモン「DHEA 」。このホルモンが正常に分泌されている体は若く、太りにくいのです。それまで楽々はけていたズボンや、スカートがきつくなった。たった2kgだけなのに、増えた体重が戻らないこの兆候があれば、それは「老化が始まっている」という体からのサインです。
しかし、まだ遅くはありません。「DHEA」の正常分泌を促す。そして、太らない体をつくる。「太らをい体」をつくるためには「何を食べるか」より「どう食べるか」が大事です。

そのことを証明する、興味深い実験結果があります。「食事量を制限すると、いつまでも若く生きられる」

アメリカのマサチューセッツ工科大学の教授が1991年から始めた、マウスなどの動物を使った実験の結果です。ここでのポイントは、「食事量」と言っても食事の「重量」ではなく「カロリー量」を制限するということ。通常カロリー量の6~7割の餌をマウスに与えつづけたところ、マウスの寿A叩が延びたのです。それは、細胞内に存在する長寿遺伝子(S写N遺伝子) の働きが活発になったからです。発表によれば、カロリーをセーブしたマウスは毛並みのつやがよく、またシワも少なかった。もちろん、肥満も起こしていない。カロリーをセーブしない栄養十分の餌を与えられたマウスはまったく反対で、老化が若しかったそうです。この長寿遺伝子は、人間の細胞内にも存在するので、食事のカロリー量を減らすことで人間も寿命が延びる可能性が高い、と報告されています

実際、カロリーの低い野菜をたくさん食べる地域では、がんや生活習慣病にかかる人が少なく、元気で長生きの人が多いという調査報告があります。
日本一、男性が長生きする県・長野県がその代表例でしょう。「太らない体」は「長生きする体」がカギになるのです。そんな体をつくるには、まず「カロリー量」になるのです。