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若返りホルモン「DHEA」が健康にも影響する

人を若返らせるそんなホルモンがあります。それは「DHEA」。正式には「デヒドロエビアンドロステロン」というホルモンです。コレステロールを原料にして、副腎皮質でつくられています。
「DHEA」は、男性ホルモン(テストステロン)や女性ホルモン(エストラジオール))の材料になるほか、多様な働きをしています。
筋力、免疫力から意欲、行動力まで、多くの機能を維持し、さらには発がんの抑制、骨粗鬆症の予防といった働きも認められています。

近年、欧米で「DHEA」の研究が進み、「DHEA」の血中濃度が低い人に「DHEA」を補充すると、若々しく、元気になることがわかってきました。
このことから、「DHEA」は「若返りホルモン」と言われるようになったのです。
数年前まで、「DHEA」は歳をとるにつれて分泌量が減少するとされていました。
その血中濃度は25歳ころをピークに、40代で約半分に低下する、とまで言われていたのです。しかし、最近の研究結果は、少し違った見解を示しています。高齢でも若々しく元気で活動的な人は、「DHEA」の血中濃度が20代とあまり変わらないことがわかってきたのです。
あなたの今の「DHEA」血中濃度は、はたしてどれくらいでしょうか。「DHEA」の血中濃度が低くなると、次のような「3つの低下」症状が出てきます。

    1. 「筋肉量」「筋力」が低下する

たとえば、階段や坂道を上るのがきつくなります。さらには、つまずいたり、筋肉痛になったりすることが多くなります。

    1. 「免疫力」が低下する

たとえば、傷が治りにくくなったり、かぜをひきやすくなったりします。

    1. 「意欲」が低下する

仕事に対するやる気を失うだけではありません。これまで好きだったこともおっくうに感じるようになります。

「DHEA」の血中濃度が下がる一大要因は、やはりストレスです。ストレスホルモンも「DHEA」も、コレステロールを原料として副腎(腎臓の上にあり、多くのホルモンを分泌する器官) でつくられます。
そこで、強いストレスに対応するためにストレスホルモンが大量につくられると、コレステロールが不足するつまり、「DHEA」は「材料不足」に陥ってしまうのです。

すると、さまざまな不調が現れます。「DHEA」は、男性ホルモンの材料でもあります。男性ホルモンは、男性だと精巣(華丸) でつくられています。女性は副腎や脂肪でつくられます。性機能のほか、筋肉量や筋力の維持にもかかわっており、「活動する力の源」とも言うべきホルモンです。
つまり、若苦い体、太らない体に不可欠なホルモンと言えます。

ところが、現代人は、とくに男性ホルモンの分泌低下が進みやすい、と言われています。現代人は、絶えずストレスにさらされています。そのため、「DHEA」から男性ホルモンをつくる過程で、しょっちゅうストレスホルモンの過剰分泌の妨害を受けてしまうためと考えられています。若々しい心身を復活させ、維持するためには、適切な休養と睡眠をとって、ストレスをやわらげなければなりません。

ストレスが原因で男性ホルモンが減るのは肥満の原因にも

「ストレス太り」という言葉がありますが、まんざら嘘でもありません。40代の体の大敵その3、「ホルモン分泌の変化」は、ストレスと関係している場合が少なくないからです。

精神的なストレスを受けると、体は副腎皮質(腎臓のすぐ上にあり、多くのホルモンを分泌する器官) からストレスホルモン( コルチゾール) を分泌します。
強いストレスや激しいショックを受けた場合にも大量に分泌され、「ここ一番」とがんばるときなども、ドッと出ます。ストレスホルモンは、こうして過度なストレスから、体と心を守ろうとしているわけです。ただ厄介なのは、このホルモンははかの部分でさまざまな悪影響を及ぼすことです。

ストレスホルモンは、ほかのさまざまなホルモンの分泌を妨げます。若さを保ち、免疫力を維持するホルモン(DHEA) をはじめ、性機能にかかわるホルモン(テストステロン)、睡眠に関係するホルモン(セロトニ ン、メラトニン) などの分泌を減少させてしまうのです。

このように、老化の一大要因となるストレスは、「中年太り」にも直結しています。ストレスを受けた際に分泌されるストレスホルモンには、筋肉からアミノ酸を取り出して、糖分に変える働きがあります。その結果として血糖値が上がります。すると今度は血糖値を下げるために、すい臓からインスリンが分泌されます。
インスリンは細胞に働きかけて、血液中に増えた糖質を脂肪に変えていきます。こうした状態が続くと筋肉量が減少して、脂肪が増えてしまいます。また、ストレスによって、男性ホルモンが減ってしまうこともよく知られています。これは大脳の中枢にある性ホルモンの分泌をコントロールする器官がストレスによって十分に働かなくなるために起きる現象です。男性ホルモンは、筋肉を増やし脂肪を減らす代表的なホルモンです。

っまり、男性ホルモンの減少が続くと、筋肉がやせて、お腹周りの脂肪が増えやすい体型になってしまうということです。こうした状態が長く続けば、当たり前の結果として「中年太り」が進んでいきます。

夢の食べても食べても「太らない食べ方」

40代からの大敵の1つ、「糖化」についてです。体を構成する主要な成分は、タンパク質です。細胞も大部分がタンパク質で、酵素や脳の情報伝達物質もタンパク質です。その大事な成分が糖(ブドウ糖) によって変化します。これを「糖化(グリケーション)」と言います。

糖は生きるためのエネルギー源なので、生きている以上、「糖化」は避けられません。そうなると、「糖化」されたタンパク質同士がくっつき、絡み合います(プロテインリンケージ)。そのためタンパク質の働きが悪くなって、体の機能低下へとつながります。
体の機能が低下するということは、エネルギー消費も滞りがちになるということ。つまり、余分な脂肪がたまり、太りやすくなるということです。

たとえば「糖化」が脳の神経細胞に起こると、「うつ」になりやすいとされています。血管であれば、「糖化」で傷んだところに大敵その1、「酸化」が加わるとダブルパンチで動脈硬化がより発生しやすくなります。
また、血管が硬くなって血流が悪くなり、手足の冷えの原因にもなります。

また、皮膚の「コラーゲン」というタンパク質が「糖化」すると、肌の弾力がなくなり、極端に老けた印象になります。
こうした健康障害を引き起こす「糖化」は、言ってみれば、自転車の歯車の間に、油ではなく砂糖水を流し込むようなもの。

砂糖水をさすと、ベトつきが強くなって歯車が動かなくなり、自転車は使えなくなってしまいます。体にも、同じことが言えるわけです。糖は生きるためのエネルギー源ですから、生きている以上、「糖化」は起こってしまいます。

ただし、これも日常生活をちょっと見直すだけで、過剰な「糖化」が起こりにくい体内環境はつくれます。今日から、次の3つに気をつけた食生活を始めてください。

まず、「一気に大量に食べない」こと。これは個人差がありますが、1回の食事には最低でも20分かけます。これが目安です。
糖が血液で脳に運ばれると、満腹中枢から満腹のサインが出ます。それにかかる時間が20分程度なのです。つまり、食事をしている最中に、満腹サインを受けるようにするのです。そうすると、食欲が抑えられます。

2つ目は「糖質の多い食材はたくさん食べない」こと。穀類、イモ類、甘いものを控えることも大切です。

3つ目に、「十分に時間をあけて食べる」こと。6時問おきに3食をきちんととるのが理想ですが、現実はそうはいきません。ですが、せめて就寝3時間前には夕食を終えることを原則にして、朝昼をとります。
そして少し空腹感を覚えて寝ます。食べものを胃の中に残して寝ると消化に良くないだけでなく、吸収された栄養素が燃焼することなく脂肪として蓄えられてしまいます。

この3つが太らないための食べ方で、「太らない体」をつくる秘訣の1つです。「糖」は体の大切なエネルギーの1つです。ただ、とりすぎると「糖化」という悪い作用が過剰に働いてしまう。このことをぜひ覚えておいてください。