効果大「駅の階段」を使う

実際の例です。47歳のAさん(女性)は、保険外交員をしています。階段を駆け上がると息切れしたり、心臓がドキドキしたりしていました。心肺機能が衰えていたのです。
運動を中心に改善を図ることにしたのですが、多忙のため、その時間がとれません。そこで、日常生活の中で運動不足を補うことにしました。

通勤時の自宅から駅の間は、これまでは片道10分の普通歩行でした。そこで、行きは階段を上がるコース、帰りは坂道を上るコースに変え、階段、坂道以外は速歩にしました。速歩は普通歩行の1.3倍、階段上がりは普通歩行の2.5倍、坂道上りは普通歩行の2倍(ただし勾配の程度による) くらいの運動強度です。

普通歩行とは、平地を時速約4kmで歩くことです。これは「らく」のレベルですが、運動能力が低下している人にとっては、時速4kmでも「ややきつい」というレベルになることもあるので、注意が必要です。

Aさんは、行きは「階投上がり3分、速歩5分」、帰りは「坂道上り3分、速歩4分の通勤」に変え、従来の通勤の2.5五倍近い活動量を確保しました。数ヶ月後、心肺機能が高まり、階段もらくに駆け上がれるようになっています。このように、運動を行なうときには、まず心拍数も目安にしながら自分の運動能力を知り、それに応じて頻度、強度、時間を決めます。

たとえば、運動などこの10年間いっさいやっておらず、駅の階段を上がるだけでも息切れする… といった人は、まず自宅から駅までの道のりを3分間だけ遠回りするなど、小さなことから始めます。続けていれば、必ず効果が実感できるはずです。「そういえば最近、駅の階段を上がってもあまり息切れがしなくなってきた」と感じたなら、3分間だけ遠回りしていたのを5分にする、1駅分歩く、などと徐々にレベルを上げていけば、ゲームをクリアする感覚で楽しく運動を続けられるでしょう。

もちろん、レベルを上げるごとに、あなたの体は、どんどん「太らない体」になっていきます。再度、注意していただきたいのは、あくまでも無理は絶対禁物ということ。

いくら軽い運動でも、続けていると心拍数が上がってきます。はじめは「かなりらく」と感じるレベル(心拍数103程度) でも、10分、20分と続けるうちに「かなりきつい」と感じるレベル(心拍数158) に上がってくることも多々あります。ここで無理せず、休むかペースを落とすことが肝心です。

なまじ体力に自信がある人は、「非常にきつい」と感じるレベルに達するまでがまんして続行してしまいがちですが、息も絶え絶えで積黒的に「激しい運動」になってしまっては逆効果です。無理をすると「活性酸素」がたくさん発生して、肥満のもととなる体の「錆び」が進んでしまうからです。「太らない体」をつくるための運動は、がんばったり、人と競争したりしてはいけません。

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