「太らない体」をつくるための「軽い運動」には、筋力トレーニングもあります。最近の研究で、筋力トレーニングは若返りホルモン「DHEA」の分泌を良くする、ということがわかってきました。
「DHEA」は加齢にともない、だんだん分泌量が減ってきます。しかし、軽い筋肉運動をしていれば、その分泌が促されるのです。また、筋力トレーニングは、基礎代謝量を増やすのに効果的です。
つまり、脂肪燃焼の効率を上げることになります。当然、筋肉量も増えるので、「中年太り」の予防・解消に重要な運動なのです。基本的な体の動きをつくる筋肉として重要なのは、次の4ヶ所の筋肉です。
- ひざを伸ばす太もも前何の大腿四頭筋
- ひざを曲げる太もも後面の「ハムストリング筋」
- お尻の「大殿筋」
- 上体を支える「腹筋群と背筋群」
これら下半身の筋力は、体のバランスを維持し、立つ、歩くという基本的な動きをはじめ、さまざまな体の動きをつくるうえで非常に大切な役割を持っています。
40歳を超えるとこれらの筋力は予想以上に低下して、足が上がりにくくなつたり、もつれたり、つまずきやすくなったりします。下半身の筋肉は歩くことでも鍛えられますが、筋力トレーニーングがもっとも効果的です。筋力トレーニングは成長ホルモンの分泌も促します。
成長ホルモンはおもに睡眠中に分泌されますが、筋肉運動後にも分泌されます。筋肉量を増やしたりする作用があって、若返りにも効果があります。さらに、筋肉運動を継続することによって、骨董が増加したり、男性ホルモン(テストステロン) が増える効果も期待できます。
また、筋肉運動によって生じる乳酸には、普段、大気汚染や水質汚染によって知らないうちに摂取してしまっている有害金属を、排出させる作用があることもわかってきました。
乳酸は運動後に生じるので、疲労物質と見られてきましたが、最近では人体にとって有益な働きをしていることがわかってきました。
このように、筋力トレーニングは有酸素運動に負けず劣らず健康の維持・増進に役立ち、「太らない体」づくり、生活習慣病予防には欠かせない運動なのです。40代、50代は、筋肉が衰えはじめる年ごろです。簡単なものばかりですから、すぐにでも筋力トレーニングを始めましょう。
ただし、動けなくなるほどの過度な有酸素運動と同様、無理をすると筋肉を傷めて炎症を起こします。体内に炎症があると、そこから「活性酸素」が大量発生し、かえつて体の「錆び」を進行させることになってしまいます。有酸素運動にもコツがあるように、筋力トレーニングにもコツがあるのです。