重大な睡眠時無呼吸症候群と糖尿病との関連性

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生活習慣病の分野で、よくいわれるものに睡眠時無呼吸症候群とメタポリックシンドロームとの関係があります。睡眠時無呼吸症候群とは、眠っている間に呼吸が止まってしまう症状のこと。
普通の寝息は「スースー」とリズミカルなのですが、こちらは「スー (しばらく無音)スー」と途切れてしまうのです。

ひどい場合には、呼吸が止まった状態が10秒も20秒も続きます。そういった無呼吸状態が、ひと晩に30回以上もしくは1時間に5回以上あると、睡眠時無呼吸症候群と診断されます。

睡眠時無呼吸症候群の治療その5「家でできる無呼吸やいびきの対症療法」 | いびきを甘くみてはいけない

ただ呼吸が止まるだけではありません。この病気の人は、日中にひどい眠気に襲われるようになります。以前、新幹線の運転士が居眠り運転をしてしまい、検査してこの病気であるとわかったときには、大きな社会問題になりました。
それだけでなく、本人の健康にも多大な悪影響を及ぼします。無呼吸によって血中の酸素濃度が下がることで、高血圧などのリスクが高まるのです。

また、睡眠時無呼吸症候群の人は糖尿病になりやすく、糖尿病の人は睡眠時無呼吸症候群になりやすいという相互関係があることもわかってきました。その原因の1つは、肥満によって喉の気道が狭くなることにあるとされています。

特徴は、大きないびきをかくことです。睡眠中に起きる症状なので、自覚はほとんどありません。睡眠時無呼吸症候群であるとわかるのは、パートナーの指摘によってである場合がほとんどです。最近は検査を実施している医療機関も増えてきましたので、気になる方は検討してみてください。

呼吸が途切れてしまうような睡眠では、体を休めることができません。どうやら、正しい睡眠のためにもダイエットが重要のようです。

糖尿病は、じわりじわりと少しずつ進行します。そして、あるときに判明して慌てることになります。ここで、典型的な実例のひとつです。ある方は、51歳男性。子どもの頃から食べることが大好きで、現在の身長(169cm) になった高校生のときに80 kgを超え、それ以来ずっと90 kg前後を維持していました。

10年ほど前から、健康診断でイエローカードをもらっていましたが、特に体調が悪いわけでもないので放置していました。再検査を受けず、毎年イエローカードをもらうだけです。3~4年前から、不思議なことに体重が落ち始めました。食生活には大きな変化がないのに、90 kgだった体重が80 kgを切ったのです。ずっとデブだといわれていたので、この自然な減量は大歓迎でした。

その頃、もう1つの変化が起きていました。勃起不全です。同時に、ときどき目がかすんで新聞や雑誌が読みにくいとも感じていました。毛髪が薄くなり始めたこともあり、自分に訪れたこれらの変化を、加齢によるものと自己判断しました。

目のかすみは、老眼のせいだろうと考えていたのです。最後の転機が訪れます。ある朝、出勤のために草を運転しようとすると、いつもよりかすんだ目のせいで信号がよく見えません。さすがに、それでは危険だからと、近くの眼科を受診しました。すると、眼科医は目を一瞬見ただけで診察をやめ、こう宣告します。「あなたは、私では手に負えません。紹介状を書きますので、内科を受診してください。

紹介された内科を受診し、眼科医の見立てどおり糖尿病と診断されました。自宅に帰り、インターネットで糖尿病を調べてみると、気をつけるべき兆候という記事がありました。それらは、どれもが自分に当てはまっていました。急な体重減をはじめ、ここ何年かはやたらと喉が渇くためにお茶や水をガブ飲みしていたこと。勃起不全、目のかすみ、手足のしびれ… 。

ギター演奏が趣味でしたが、自分の手のしびれが腱鞘炎のせいだと思っていたことも、マイナス要因でした。幸い、腎臓のほうにはさほどのダメージがなく、悪かった血液の数倍も順調に改善していきました。

内科医には、「優秀です。この調子で続けましょう」とほめられました。ところが、大きな病院でレーザー治療を受けた目のほうには視力改善の兆しがなく、「現状では、よくて現状維持」と担当医に言われています。

糖尿病は、血管や神経を傷つけます。血管は目に、神経は勃起不全と手のしびれとして表れました。こうした兆候を自覚しているか、健康診断で異常が出たりした方は、絶対に放置してはいけません。「気づいたときにはもう遅い」とならないためにも、ダイエットが欠かせません。

いびきを甘くみてはいけない

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