日本は肉食が禁止されていた国

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奈良時代から明治維新に至るまでの日本では、たびたび肉食禁止令が出されました。これは、世界でも珍しい国だそうです。

このことも、日本人を草食化する要因になりました。中でも米が重視され、江戸時代には貨幣と同じような扱いをされました。

現在、国家や地方自治体の規模はGNP (国民総生産) などの金額によって表されますが、江戸時代の日本では「加賀前田百万石」というように、米の収穫高を目安にしていたほどです。

以来、国民には米を大事にする文化が育ちました。正月には餅を食べ、風邪をひいたらおかゆ、保存食はおにぎりです。

今でこそ、1日に3食のご飯を食べていますが、そうなったのはつい最近のことでした。戦前の食事は、麦飯に一汁一業が当たり前。イモ類、根菜類、高野豆腐などがよく食べられていました。その麦でさえ、イモしか食べられない家庭から見れば賛沢品でした。米のご飯は、幻の食べ物です。

こうして、白くてきれいな米は庶民の憧れになりました。これは、現代日本人にも強く根づいています。茶碗に残ったご飯粒をお母さんに指摘され、「農家の人に申し訳ないから全部食べなさい」と叱られるのも、そのためです。

もう1つ、最近の日本人に特徴的なのは、麺類の人気ぶり。この20年ほどの問に、ラーメン店とパスタ店がものすごく増えたのも、その象徴でしょう。.ラーメン店だけでも、全国に4万軒あまりもあります。米を信仰する日本人は、麺類の消費も増やしました。もともと肉食が禁止されてきた歴史をもつ上、昨今のヘルシー志向で「肉を食べたら太る」の連呼です。こうして、肉を食べずに米や麺類ばかりを口にする国民性が育ったのが現代の日本です。

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