粗食による食習慣は栄養失調と味覚異常の原因になる

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日本人が世界一の長生きである理由は、タンパク質の摂取増にありました。その事実を知らず、和食のおかげだと思っている人は今でも多いものです。

同じ理由から、玄米などの粗食をありがたがる考え方の人もいます。しかし、国民が粗食をしていた時代の日本は平均寿命世界一ではなく、反対に低寿命の国でした。

これだけを見ても、粗食には何もメリットがないことがわかります。もう1つ、粗食には大きな問題があります。粗食は、味覚を妨げてしまうのです。人が味覚を感じる舌も、タンパク質でできています(実際には、味蕾という小さな器官が味を感じています)。

当然、タンパク質をはじめとする栄養をすべて摂取しなければ舌の機能が退化し、味覚も衰えます。栄養のない粗食では、味覚が鈍感になるわけです。

その結果、いくら食べても満足できないので早食いと過食につながります。粗食は栄養失調になり、栄養失調は味覚異常になり、味覚異常は肥満になるのです。

早食いでは唾液が分泌されないため、舌が乾燥して味覚を鈍化させます。このこともまた、人を肥満にさせる一因です。

肥満の人が早食いをする理由の1つが、味覚異常にあるのではないかと考える人はたくさんいらっしゃいます。

それは、こういう意味だったのです。粗食をする人の中には、痩せる人もいるでしょう。しかし、思い切って断言してしまうと、これは粗食による栄養失調から体調を崩して、やつれているだけです。

では、ダイエットにふさわしい食事とはどんなものでしょうか。1日に30品目も食べるのは、事実上不可能です。ご飯や麺類は炭水化物ばかりで、ビタミンやミネラルが不足してしまいまいす。

ところで、ビタミンを多く含む食品といえば、皆さんは何を思い浮かべますか? おそらく、多くの方が果物だと思うはずです。ところが、実は果物にビタミンはそれほど含まれていないのです。

ここで、粗食の代表である玄米とゴボウ、果物の代表としてグレープフルーツの栄養成分を見てみましょう。比較の対象として卵とベーコンを入れ、すべて100 gで重量を統一しました。グレープフルーツの欄を見ていただくと、ほとんどのビタミンがゼロか、それに近いことがおわかりいただけると思います。

ビタミンA 、D 、K 、B12はまったく含まれていません。ビタミンC こそ含まれていますが、ベーコンとほぼ同量です。ゴボウのほうは、全体の97% が水分と炭水化物だけです。

こちらもグレープフルーツと同様、ビタミン類は微々たる状況ですし、玄米は74% が炭水化物です。

粗食の材料としてよく使われる、ダイコン・コンニャク・納豆などもビタミンやミネラルにゼロが並ぶ食品です。

一方、卵とベーコンはほぼすべての栄養素がそろっています。それらを中心にした食事をすれば、30品目も食べることなく、必要な栄養素が摂取できるというわけです。粗食には、デメリットしかありません。

こうした粗食のメリットに振り回されてしまう人が現代人に多いのです。

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