人類はもともとは肉食動物

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糖尿病の最大の原因は、肥満です。日本人は、なぜ太ってしまったのでしょうか。ダイエットを考える前に、その理由を突き止めなければなりません。

人体がどのようなデザインをされているかの検証が必要ででした。太古の人々は、何を食べて暮らしていたのでしょうか。4 00 万年の人類の歴史では、狩猟による食生活がずっと続いていました。

主にシカやイノシシを狩り、その肉を食べていたわけです。動物の骨髄も食べていた歴史があり、硬い骨を割るために石を使うなどして知能が高くなり、やがて弓央やブーメランを発明することにつながっていきました。

狩猟民族は、獲物を求めて移動しながら生活します。一部の人たちは、もともとの居住地であるアフリカ大陸を遠く離れ、北側のルートと南側のルートをたどってユーラシア大陸を目指しました。北に向かった人たちは、革も生えていないほど寒いロシアに住みつきました。

そこに、マンモスという食料があったからです。さらに東に進んで、アラスカまで行った人たちにはアザラシがありました。その子孫が、今のイヌイットです。

こうして肉を食べることで、人類は寒冷地でも生き残りました。しかし、いつでも獲物が取れる保証はありません。しばらくして知能が発達してきた人類は、その対策として食料の安定供給法を編み出しました。

それが、牧畜です。となると、今度は家畜のエサが必要です。

そうして登場したのが、農耕です。400万年の人類史から見れば、「つい最近」の1前年前の出来事でした。

日本で最古の化石といわれるのが、沖縄で見つかった港川人です。彼らは農耕が始まる少し前の、1 万7000〜1万8000年前頃に生きていたとされ、その遺跡からはシカやイノシシの骨が発掘されています。それより少し後の時代の縄文人は、こんな獲物を取って食べていました。

陸生動物
シカ、イノシシ、クマ、タヌキ、リス、鳥類
海生動物
クジラ、トド、アザラシ、ジュゴン、イルカ
魚介類
タイ、スズキ、マグロ、サケ、マス、コイ、ウナギ、貝類
木の実
ドングリ、トチ、クリ( これらを保存していた)
根菜類
ヤマイモ、ユリネ、カタクリ
その他
キノコ類、昆虫類

400万年の中では、ずいぶん新しい縄文人でもこんな食事です。太古の昔にクジラを掃えていた事実には驚くばかりですが、リストを見ると肉を主食にしていたことがよくわかります。

やはり人類は、肉食動物としての進化を延々と遂げてきたわけです。農耕が始まってからはわずか1万年ですから、単純に引き算すれば人類の「肉食時代」は3 9 9万年。

私たちのDNA は、草食を可能にするような仕組みの変換がまだ終わっていないといえるのです。草食動物の代表として、ここでウシに登場してもらいましょう。ご存じのとおり、ウシには胃が4 つもあり、いったん飲み込んだ草をもう一度噛んでから胃に戻すという食事法を取っています。

これを、反芻といいます。反芻によって細かく砕かれた草は、やっと腸に到着します。腸には特殊な細菌が飼われていて、届いた草を発酵させる役割をしてくれます。そこで得たビタミンやミネラルなどが、ウシの栄養源となるのです。

つまり、ウシは草の栄養分を消化して生きているのではなく、体内でつくつた「漬け物」の栄養分を摂取することで、あの巨体を維持しているようなもの。そのため、ウシの腸は全長60 mもあります。

これは、植物がそれほど消化しにくいものだという証。人間の胃腸にはそんな特殊な機能など備わっていない点も、草食向きの体とはいえない理由です。

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