長い間、都道府県別平均寿命で男女とも上位を続けていた沖縄県が、突然26位にまで落ちてしまった「ショック」。
これは男性の話でしたが、いずれは女性も追いつくと予想されます。その傾向は本土も同じですから、やがて日本人全体の平均寿命が下がり、世界一の座を明け渡すときが来るのかもしれません。
沖縄県は今、肥満率でも新規透析導入数でも日本一です。健康で長寿だった島が、なぜ肥満や糖尿病の人ばかりになってしまったのか?
その原因がわかれば日本の未来も変えられるのではないかと思っています。でも、自分から望んで肥満になる人はいません。わざわざ病気になる人もいません。悪いのは、そうさせてしまった周囲のほうです。
日本の最南端に位置する沖縄は年間平均気温が23度 もあるほど温暖で、住んでいる人の多くは琉球民族です。本土人とは気候風土も生活環境も民族も違うのだから、同じ土俵で語るなと指摘されるかもしれません。
でも、夏に限っていえば、本土では35度を超える酷暑日が続くのに対し、沖縄では最高でも333度 程度にしかならず、実は本土より涼しいのです。
そして本土からの移住者も数多く住んでいます。両者の比較ができないという根拠は、どこにもありません。少し前のデータですが、厚生労働省の「国民健康・栄養調査」によれば、「糖尿病が強く疑われる人」が1000万人で、「糖尿病の可能性が否定できない人」が1500万人。合計すると2500万人です。
わずか10年の間に、日本人の糖尿病患者は1.6~2 倍にもなったのです。もっと大きな問題は、これらに該当する人の多くが治療をしていないという点です。
男女とも「糖尿病が強く疑われる人」の約4割が「ほとんど治療を受けたことがない」に含まれています。しかも、40〜49歳の女性では7 割にも達しています。尿病を放置するほど恐ろしいことはありません。糖尿病の最大の原因は、肥満です。
日本人は、なぜ太ってしまったのでしょうか。ダイエットを考える前に、その理由を突き止めなければなりません。