30~40代ではじめる太らない体づくり

太らない週末の睡眠方法

人にはみな、「体内時計」があります。体内時計をきちんとリセットできている人は、「良い眠り」を得ています。時計と言っても、目からの情報を伝達する視神経に関係する神経細胞群なのですが

この時計は1日24時間の本当の時計と異なり、1日25時間(もっと長い人もいる) で機能します。そのため、私たちはつねに25時問を24時問に合わせ直して生活しています。

この時計は毎朝、太陽の光を浴び、目の神経を通る光の情報をキャッチすることで時間をリセットし、24時間の生活リズムに合わせています。じつは、誘眠ホルモンのメラトニンの分泌をコントロールしているのが、体内時計なのです。

2周25時問の体内時計に合わせてメラトニンが分泌されると、分泌が始まる時刻が、毎日1時間ずつ遅くなっていきます。

ある日、メラトニンの増加が夜10時に始まったとすれば、翌日は夜11時、翌々日は午前0時…10日後には午前8時に始まることになってしまいます。そうならないのは、毎日、体内時間をリセットし、ズレを修正しているからです。体内時計を合わせそこなうと、睡眠トラブルが起こります。たとえば、いつも0時に寝て、7時に起きている人が、休日の土、日曜の2日間、午前10時過ぎまで寝ていると、体内時計は生活時計より2時間遅れになって、乱れが生じます。
それで、日曜夜から月曜朝にかけて、いつもどおり午前0時に寝て、朝7時に起きようとすると、なかなか寝つけず、起きるのがつらくなります。

7時に起きても、五時に起きるのと同じような感覚になるからです。ですから、休日の朝もいつも起きている時間に太陽の光に当たって、体内時計をきちんとリセットします。ふだん、朝7時に起きているならば、とにかく、いったんはその時問に起きて太陽の光に当たること。眠り足りないときは、20分程度の仮眠をとればいいのです。

その日の事情で起床時間をころころと変えていたのでは、メラトニンが正常に働く睡眠リズムが身につきません。気をつけたいのは、「寝る時刻が遅くなって睡眠時間が短くなっても、起床時間は変えない」ということです。また、遅く寝た翌朝にいつもの起床時間を守ると、日中に眠くなります。このとき、眠気にまかせてだらだらと昼寝をしてしまうと、夜、寝つけなくなります。したがって、「睡眠時間が短くなっても起床時問を変えない」「いつもと同じ時刻に起きて太陽の光に当たる」「どうしても昼寝が必要なら、20分程度に」を守って、メラトニンの正常な分泌サイクルを保ちます。

この三原則が習慣化されれば、いつでも「良い眠り」が得られるようになります。41歳のBさん(男性) は、警備会社で働いていました。勤務は交代制で、夜勤明けの日の夜にうまく寝つけず、熟睡できないのが悩みでした。

本来、眠っているべき時間に働く仕事は、生活のリズムが乱れて当然です。と言っても、個人の都合で勤務体制を変えるわけにはいかないので、眠る工夫をするしかありません。そこでBさんは、夜勤明けの朝、できるだけ太陽の光に当たらないようにしました。光に当たってしまうと、誘眠ホルモンのメラトニンの分泌が少なくなり、眠気がなくなってしまいます。濃いサングラスをして帰宅し、昼ごろまで寝ることにしました。午後まで寝ていると、夜、眠れなくなるからです。そこで,Bさんは帰宅後、すぐに4時間ほど眠り、昼ごろに起きて、また午後3時ごろに20分程度の仮眠をとることにしたのです。30分以上も眠ってしまうと、メラトニンの誘眠力が弱まって夜の寝つきが悪くなります。
仕事の都合で生活が不規則になっても・起床時間は変えてはいけません。体内時計が乱れて、メラトニンが規則正しく分泌されなくなるからです。その結果、やがてBさんは、帰宅後すぐに眠れるようになりました。昼間でも、深い眠りが得られると成長ホルモンが分泌され、体の機能が健全化されます。Bさんの夜の寝つきが良くなつたのは、言うまでもありません

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