23時には就寝するように習慣づける

「ぐっすり眠る大人は太らない」「寝る子は育つ」と言いますが、大人の老化防止にも睡眠は欠かせません子どもの成長を促す成長ホルモンは、思春期をピークに加齢により分泌量は低下しますが、大人でも分泌されています。
この成長ホルモンが分泌されるのが、おもに睡眠中なのです。

一般的に、夜10時から午前2時までの間を十分に眠っていれば、分泌がさかんになります。せめて夜11時には、床につきたいものです。

このホルモンには、日中に紫外線を浴びて傷ついた皮膚や、運動などで傷ついた筋肉を修復したり、疲労のもとを除去したり、免疫活動を高めたりと、眠っている間に体をメンテナンスする働きがあります。
疲れて弱った体の回復を促します。つまり、「太らない体」を維持してくれるホルモンなのです。だから「寝る子は育つ」だけでなく、「ぐっすり眠る大人は体が若い」と言えるのです。成長ホルモンの分泌が悪くなると、40代・50代には警告となるような次の症状が現れます。

  • 太り出す
  • 疲労が蓄積する
  • かぜをひきやすくなる
  • 食欲がなくなる
  • 食の好みが変わる
  • 皮膚が荒れる
  • 筋肉痛が続く

40歳を境にして、これらの症状に1つでも思い当たれば、それは老化が始まって「太りやすい体」に変わりつつある、とう体からのサインです。
実際に、「太り出す」ことが症状の1つになっています。そろそろ40代だから、これらの1つや2つはあるのは当たり前だ、と軽く見てはいけません。1つでも出てくれば、次々に症状が現れるのは時間の問題で、「中年太り」が進むだけでなく、老化もどんどん速まっていくのです。じっは、老化防止(アンチエイジング) の歴史は、この成長ホルモンの研究から始まっています。

成長ホルモンの分泌量が加齢とともに低下することは、以前からわかっていました。また、近年になって、成長ホルモンが不足すると、先に挙げた「太り出す」などといつた老化現象が現われることもわかってきました。そこで、アメリカのダニエル‥ フドマン博士という研究者が、高齢者の成長ホルモンを増やせば老化現象が改善するのではないか、と着目します。

1990年、博士は「正常な61歳から81歳までの男性に注射投与したところ、体脂肪が減ってスリムになった」という研究結果を発表しました。そのうえ、筋肉量が増えて運動能力がアップし、血中コレステロールが減って動脈硬化のリスクが低下したことも確かめられています。

博士の発表後、成長ホルモンは「若返りの薬」として注目され、世界中で研究が盛んになりましたが、現在では異論が多く唱えられています。外部から成長ホルモンを補充することによる副作用や、発ガンとの関係などが指摘され、成長ホルモン補充療法は特殊な病態を除いては安易に行なうべきではないとされています。

次のような方法で成長ホルモンレベルを維持する方法もあります。それは、まず第1一に、「良い睡眠」を確保すること。
第2に、寝る前には糖質やアルコールを過度にとらないこと。
第3は、軽い運動。
そして第4は、血液中の「DHEA」レベルを維持することです。

とくに40代・50代に「DHEA」を重要視してほしい理由は、これが男性ホルモンであるテストステロンの材料になるからです。「DHEA」は、男性ホルモンの材料になります。男性ホルモンの1つ、テストステロンは、男女を問わずきわめて重要な働きをしていますが、その役割の代表は、筋肉をつくる働きです。脂肪細胞の中にある「幹細胞」と呼ばれる細胞が、筋肉になるか、それとも脂肪になるかを決定づけているのが、テストステロンである可能性が最近の研究でわかってきました。

ところが、帝京大学の研究によると、40代、50代の男性のテストステロンレベルが60代、70代の男性よりも低いという衝撃的なデータが報告されているのです。原因は明らかではありませんが、その意味でも、「40代は体の曲がり角」と言えるのです。

ここで「止められる老化」を確実に止めるかどうかで、その後の体、ひいては人生が変わってきます。と言っても、気をつけなければならないのは、ちょっとした日常的な習慣だけなのです。

ストレスが原因で男性ホルモンが減るのは肥満の原因にも

「ストレス太り」という言葉がありますが、まんざら嘘でもありません。40代の体の大敵その3、「ホルモン分泌の変化」は、ストレスと関係している場合が少なくないからです。

精神的なストレスを受けると、体は副腎皮質(腎臓のすぐ上にあり、多くのホルモンを分泌する器官) からストレスホルモン( コルチゾール) を分泌します。
強いストレスや激しいショックを受けた場合にも大量に分泌され、「ここ一番」とがんばるときなども、ドッと出ます。ストレスホルモンは、こうして過度なストレスから、体と心を守ろうとしているわけです。ただ厄介なのは、このホルモンははかの部分でさまざまな悪影響を及ぼすことです。

ストレスホルモンは、ほかのさまざまなホルモンの分泌を妨げます。若さを保ち、免疫力を維持するホルモン(DHEA) をはじめ、性機能にかかわるホルモン(テストステロン)、睡眠に関係するホルモン(セロトニ ン、メラトニン) などの分泌を減少させてしまうのです。

このように、老化の一大要因となるストレスは、「中年太り」にも直結しています。ストレスを受けた際に分泌されるストレスホルモンには、筋肉からアミノ酸を取り出して、糖分に変える働きがあります。その結果として血糖値が上がります。すると今度は血糖値を下げるために、すい臓からインスリンが分泌されます。
インスリンは細胞に働きかけて、血液中に増えた糖質を脂肪に変えていきます。こうした状態が続くと筋肉量が減少して、脂肪が増えてしまいます。また、ストレスによって、男性ホルモンが減ってしまうこともよく知られています。これは大脳の中枢にある性ホルモンの分泌をコントロールする器官がストレスによって十分に働かなくなるために起きる現象です。男性ホルモンは、筋肉を増やし脂肪を減らす代表的なホルモンです。

っまり、男性ホルモンの減少が続くと、筋肉がやせて、お腹周りの脂肪が増えやすい体型になってしまうということです。こうした状態が長く続けば、当たり前の結果として「中年太り」が進んでいきます。

夢の食べても食べても「太らない食べ方」

40代からの大敵の1つ、「糖化」についてです。体を構成する主要な成分は、タンパク質です。細胞も大部分がタンパク質で、酵素や脳の情報伝達物質もタンパク質です。その大事な成分が糖(ブドウ糖) によって変化します。これを「糖化(グリケーション)」と言います。

糖は生きるためのエネルギー源なので、生きている以上、「糖化」は避けられません。そうなると、「糖化」されたタンパク質同士がくっつき、絡み合います(プロテインリンケージ)。そのためタンパク質の働きが悪くなって、体の機能低下へとつながります。
体の機能が低下するということは、エネルギー消費も滞りがちになるということ。つまり、余分な脂肪がたまり、太りやすくなるということです。

たとえば「糖化」が脳の神経細胞に起こると、「うつ」になりやすいとされています。血管であれば、「糖化」で傷んだところに大敵その1、「酸化」が加わるとダブルパンチで動脈硬化がより発生しやすくなります。
また、血管が硬くなって血流が悪くなり、手足の冷えの原因にもなります。

また、皮膚の「コラーゲン」というタンパク質が「糖化」すると、肌の弾力がなくなり、極端に老けた印象になります。
こうした健康障害を引き起こす「糖化」は、言ってみれば、自転車の歯車の間に、油ではなく砂糖水を流し込むようなもの。

砂糖水をさすと、ベトつきが強くなって歯車が動かなくなり、自転車は使えなくなってしまいます。体にも、同じことが言えるわけです。糖は生きるためのエネルギー源ですから、生きている以上、「糖化」は起こってしまいます。

ただし、これも日常生活をちょっと見直すだけで、過剰な「糖化」が起こりにくい体内環境はつくれます。今日から、次の3つに気をつけた食生活を始めてください。

まず、「一気に大量に食べない」こと。これは個人差がありますが、1回の食事には最低でも20分かけます。これが目安です。
糖が血液で脳に運ばれると、満腹中枢から満腹のサインが出ます。それにかかる時間が20分程度なのです。つまり、食事をしている最中に、満腹サインを受けるようにするのです。そうすると、食欲が抑えられます。

2つ目は「糖質の多い食材はたくさん食べない」こと。穀類、イモ類、甘いものを控えることも大切です。

3つ目に、「十分に時間をあけて食べる」こと。6時問おきに3食をきちんととるのが理想ですが、現実はそうはいきません。ですが、せめて就寝3時間前には夕食を終えることを原則にして、朝昼をとります。
そして少し空腹感を覚えて寝ます。食べものを胃の中に残して寝ると消化に良くないだけでなく、吸収された栄養素が燃焼することなく脂肪として蓄えられてしまいます。

この3つが太らないための食べ方で、「太らない体」をつくる秘訣の1つです。「糖」は体の大切なエネルギーの1つです。ただ、とりすぎると「糖化」という悪い作用が過剰に働いてしまう。このことをぜひ覚えておいてください。

「若返り食材・ニンジン」の効能

「体を錆びさせる活性酸素」を抑える具体的な方法を紹介します。「活性酸素」はエネルギーをつくるときに発生するものですから、発生を止めることはできません。
しかし、抑える方法はあるのです。
20代の若い体なら、「活性酸素」を消す酵素が十分あります。しかし、この「消去酵素」は歳をとるにつれて減っていきます。となれば、私たちにできることは、この酵素の減り具合をできるだけ抑えることと、減った分を補うことです。
活性酸素を消す酵素はタンパク質を材料とし、亜鉛、銅、マンガンなどの助けを借りてつくられます。これらの栄養素が不足しないよう、心がけなければなりません。

とくに、亜鉛は不足しやすいので、意識してとることが肝心です。亜鉛はカキ(牡蠣)、レバーに含まれます。「活性酸素」を消去する物質は、ほかにもあります。
「抗酸化物質」、あるいは「スカベンジャー」と呼ばれています。ベーターカロテン、ビタミンC 、ビタミンE 、ポリフェノール、フラボノイドがその代表です。これら「抗酸化物質」を含む食材を、積極的にとりましょう。たとえば次の食材が挙げられます。

  1. ベーターカロテン
    にんじん、かぼちゃ、ほうれんそうなど
  2. ビタミンC
    レモン、ミカン、ブロッコリー、コマツナなど
  3. ビタミンE
    アーモンド、ホウレンソウ、カボチャ、イワシなど
  4. ポリフェノール
    赤ワイン、ブルーベリーココア、緑茶、リンゴ、ダイズなど
  5. フラボノイド
    レタス、シュンギク、タマネギ、ダイズ、緑茶、柑橘類の皮など

老化で活性酸素を消去する酵素が減少しても、意識的に抗酸化物質をとり入れれば十分、補えます。

1~5の群で、「あまりとっていないなあ」という群があれば、まず、その中から食材を1つ選んで積極的にとるようにします。「前より、少しは多くとるようになった」といった程度でかまいません。
たとえば、「コーヒーを1日に3回飲むところ、1回はお茶にしよう」と、お茶の回数を増やす、といった具合です。このように意識づけをして、それぞれの群で食材の種類を増やしていきます。全部とる必要はありません。
中でも、意識して食べてはしいのはニンジンです。英語の「キャロット」は「ベーターカロテン」が語源となっているほど、ベーターカロテンを大量に含んでいる「緑黄色野菜の王様」なのです。

ニンジンのすごい効果は、抗酸化作用だけではありません。ニンジンには抗がん作用もあり、食物繊維、ビタミンBl、ビタミンB2 、ビタミンC のほか鉄分やカリウム、カルシウムなどのミネラルも多く含まれています。どれも体を老化から守ってくれる栄養素ばかりつまりニンジンは、生活習慣病の予防にはもってこいの食材なのです。
実際、ニンジンは、昔から民間療法として、疲れ目、肌荒れ、冷え性、かぜ、高血圧、便秘、下痢、せき、夜尿症などの予防・改善に使われてきました。
ニンジンは、年中、手に入る食材ですから、いつでも手軽に食べることができると思います。ベーターカロテンは油といっしょにとると吸収力がアップするので、野菜妙めにしたり、野菜スティックにしてオリーブオイルと塩で食べたりするといいでしょう。

30代後半から40代にかけて定期検診で「血圧が高い」と診断されている人も出てくる頃ですがにんじんには高い降圧作用もあり注目です。

もう1つ重要なのは、そもそも体内に「活性酵素」をたくさん発生させないようにすることです。「活性酸素」の大量発生につながるのは、次の「五つの習慣」です。まず、第一の習慣として「喫煙」があります。

最近は「食べすぎ」という感覚が働かない人も多いようです。そういう人は、食べたい欲求にまかせてひっきりなしに食べものを口にする過食症や、何らかの胃腸障害を抱えていることが考えられます。
「食べても食べても満足できない」といった症状のある人は、専門医に相談することをおすすめします。第5の習慣として「ストレス」があります。ストレスが続くと体の機能が低下し、「活性酸素」が発生しやすい環境になります。また、ストレスに対抗するホルモンを処理するときにも「活性酸素」が発生します。
ストレスを感じる環境は、簡単に変えられるものではありません。しかし、睡眠のとり方など、日常の工夫次第で少しずつ軽減することはできます。こうした生活習慣は、すぐに変えろと言われてもなかなかむずかしいものでしょう。それでも、できることを意識してやるようにすれば、だいぶ軽減できるはずです。

体のサビをとめるのは意外と簡単

40代になると、体に「錆び」が出ます。最初の敵である「酸化」とは、いわば「体がさびる」ということです。頑丈な鉄も、長く外気にさらされていると酸素と反応し、錆びてボロボロになります。この反応が「酸化」です。自転車の車輪軸やチェーンは、錆びると動きが悪くなってしまいます。
そこで、油脂などの「錆止め」を使います。じっは体の中でも、同様のことが行なわれています。体は、食物から取り込んだ糖質(ブドウ糖) や脂質に、外気から取り込んだ酸素を反応(燃焼) させてエネルギーをつくり出し、生命を維持しています。このときに発生するのが「活性酸素」です。

「活性」とついているため、何となくいいイメージを抱く人もいるかもしれません。しかし実際には、「活性酸素」は、体に悪影響を及ぼす酸素です。というのも、「活性酸素」は細胞を構成する脂質などを「酸化」させ、傷つけるからです。そのため細胞が死んだり、働きを失ったりして、本来の役目を十分に果たせなくなるといった変化が起こります。
活性酸素は、「体を錆びさせる」のです。生きている限り、体内での「活性酸素」の発生は避けられません。と同時に、体はうまくできているもので、「活性酸素」を毒性の低い物質に変えて消去する「SOD( スーパーオキサイドディスムターゼ)」などの酵素を持っているのです。ところが、この「消去酵素」は歳をとるにつれて減っていきます。太りやすくなる40歳前後からは、この酵素の減り具合をできるだけ抑えなければなりません。

ちなみに「SOD 様抗酸化食品」は体を守るための物質としてガン撃退にも使われています。

老化を止める方法、まず「酸化・糖化・ホルモン変化」を防ぐ

人間の本来の寿命は、125歳と言われています。しかし実際は、その歳まで長生きする人はきわめてまれです。日本人の平均寿命は83歳、つまりほとんどの日本人は、125歳どころか100歳になる前に亡くなっています。

糖尿病、心臓病、脳卒中、がん…寿命を縮める病気のほとんどが、「老化」がもとになって発生します。この「もと」を抑えることができれば、寿命を縮める病気を予防することができ、いつまでも苦々しく元気でいられるのです。40代はすでに老化が始まっている自分の体が不安になってきた人は、以下の「老化度自己チェック」で調べてみてください。5項目以上にチェックがつけば、間違いなく体の老化が始まっているということです。
そして、本人が気づいていないだけで、すでに老化によって「太りやすい体」になっている人もいるはずです。

そこで、老化そのものを食い止めるようにすれば、今からでも「太らない体」をつくることができるのです。ただし、老化には「止められる老化」と「止められない老化」があります。「視力が低下した」「息切れがする」「顔にシワやたるみができた」「肌が荒れた」「髪が薄くなった」といった老化現象や生活習慣病、がんなどの病気には、「止められるもの」と「止められないもの」があるのです。

「止められない老化」とは、歳をとると必ず起こる細胞やホルモンの機能低下です。歳を重ねると誰もが避けられない老化現象ですから、止めることができません。一方、「止められる老化」とは、どのようなものでしょうか。40代を迎えた体には、「3つの大敵」があります。

  1. 活性酸素による酸化
  2. タンパク質の糖化
  3. ホルモン分泌の変化

「老化度自己チェック」

  1. 駅の階段などですぐに息ぎれをおこす
  2. 食後に胃のむかつきがある
  3. 下痢・便秘をしやすい
  4. 歯磨き時に出血する。口臭が気になる
  5. 息苦しい。または咳やたんが増えた気がする。
  6. イレの回数が増えた。またはときどき尿モレする。
  7. 喚覚、視力、聴力のうち1つでも低下している。
  8. 意欲や記憶力が低くなった気がする。
  9. シミ、シワ、タルミのうち1つでも気になる。
  10. 関節痛がある。または筋力低下が気になる。
  11. 寝つきが悪い。または眠りが浅い、早朝に目覚める

お腹に「ハンバーグ20個分の脂肪

20代のあなたと40代のあなた一番の違いはどこにあるのでしょうか。1日に「食べる量」と「消費する量」を見て、20代と40代とでエネルギー摂取とエネルギー消費のバランスを比較してみましょう。
「消費量」は、体を維持するためのエネルギー消費量(基礎代謝量) と、体を動かすためのエネルギー消費量(活動量) を合わせたものですが、平均的な「活動量」は、「消費する量」の全体の約30%とされています。ということは、「基礎代謝量」は、「消費量」全体の70%。
つまり「基礎代謝量」を基本にして考えれば、「消費量」全体は「基礎代謝量」0.7で割ると求められる、ということです。

この考え方をもとに、まず20代の摂取エネルギーと消費エネルギーのバランスを見てみましょう。20代の平均的な基礎代謝量は1550kcalです。これを0.7で割ると「消費量」は約2200となり、そのうち30%の650kcalが「活動量」となります。
摂取エネルギーが、すべて消費されている計算です。一方、40代はどうでしょうか。40代の平均的な基礎代謝量は1500kcal。仮に20代と同じように食べ(摂取エネルギ1220kcal)、体を動かしていたとしても(活動量が650kcal)、基礎代謝量が減っている分、1日に50kcalが余る計算になります。
実際には、40代になれば20代のころより食べる量は減るでしょう。しかし同時に、活動量もガクンと減ります。

仮に食べる量が150kcal(ごはん茶わん1杯分ほど) 減っても、活動量が半分に減れば、毎日、225kcal(ごはん茶わん1.5杯分ほど) も余る計算になります。3ヶ月で2kg。これが体脂肪となって体内にたまってしまいます。3ヶ月で2kgとは、どういうことでしょうか。

極端に言えば、100gのハンバー20個分の脂肪が、あなたのお腹に加わるようなものです。これは放ってはおけません。歳をとると自然に減る活動量を、がんばって20代のころと同じに保ったとしても、「基礎代謝量の低下」という落とし穴があります。「中年太り」は食事量を減らして、運動量を増やすといったダイエットをしても解消できないのです。それよりいい方法があります。

繰り返しになりますが、「太りやすい体」になるのは、老化で基礎代謝量が落ちることが原因です。ならば、その「大もと」の「老化」を抑えればいいのです。その方法は心身の負担にはなりません。日常の生活をちょっと改善するだけでいいのです。それが「太らない体」づくりへの近道になります。

隠れ肥満、いつの間にか太ってしまう

40代になると「隠れ肥満」になる人がいます。一見すると、太ったようには見えなくても、じつは「肥満」という人です。40代になっても、「お腹回りは八85cm以内、体重も30代のころとあまり変わらない」といった人が、じつは結構危ないのです。
安心していてはいけません。それは、40歳あたりから、体重は標準の範囲でも体脂肪率が高い、という人が増えるからです。これが、「隠れ肥満」です。

標準体重という落とし穴

が隠れ肥満を増やす一因になっているようです。

見た目はカツコ悪くなくても、立派な肥満。知らないうちに、病気を引き起こす環境が体内につくられているということですから、気をつけなければなりません。

見た目ではわからないだけに、とても「危険な肥満」と言えるでしょう。こうなると、どんなに昔と体型が変わっていなくても「メタボ(メタポリックシンドローム)」予備軍です。この「メタポリックシンドローム」について、「じつはよく知らない」という人が多いのではないでしょうか。

わが国の基準では、腹回りが男性で85cm以上、女性で90cm以上あると、内臓の周りに体脂肪がたまりすぎた「内臓脂肪型肥満」と見なされます。
同じ肥満でも、若い人の肥満のほとんどは、皮下に脂肪がたまる「皮下脂肪型肥満」です。皮下脂肪は、つきすぎると体に負担をかけるなど、健康に悪い影響を与えますが、生活習慣病の引き金にはなりません。
むしろ、いざというときに使えるようにエネルギーを貯蔵したり、体を保温したりするという大切な役目を持っています。女性の場合、妊娠・出産には必要不可欠です。

一方、内蔵の周囲にたまった体脂肪は、生活習慣病の原因になります。

そして、この「内臓脂肪型肥満」に、高血圧・脂質異常(血液中のコレステロールや中性脂肪おもに食事からとられた脂肪が異常に多い状態)・高血糖のうち、2つ以上の症状が重なった状態。これが、「メタポリックシンドローム」俗に言う「メタボ」です。とくに、糖尿病や高血圧、動脈硬化、心臓病といった生活習慣痛が引き起こされやすくなっている状態を指します。

では、なぜ40代になると「隠れ肥満」も含め、「メタボ」になる危険性が高まるのでしょうか。それは「基礎代謝量」に関係しています。かりに、あなたが40代、50代で、20代のころと同じように食べ、飲み、活動していると、どうなるか。20代のころと何も変わらない?いいえ。「基礎代謝量」が落ちているため、たとえ同じように活動していても消費エネルギーは格段に低くなっているのです。ズバリ言えば、基礎代謝量の差が、「中年太り」を生み出します。

中年以太りと筋肉との関係

「中年太り」がカツコ悪いのは、「脂肪が多い」からだけではありません。「筋肉の量が減っている」ことも、カツコ悪さの
原因です。
歳をとると筋肉の量が減り、筋力も衰えてきます。それで、少し走っただけで足が上がらなくなったり、ひどい筋肉痛に悩まされたりするのです。

筋肉の量は、マメに運動をしている人でも、加齢にともなって減少していきます。この筋肉の量の減少が、「中年太り」の根本原因なのです。
筋肉がどの程度減少するかは、部位によって異なります。

たとえば、腕の筋肉は歳をとってもあまり減りません。ところが、体の中でもっとも大きい太ももの筋肉は、一般に40代では20代の約90%、60代では20代の約70%にまで減少すると言われています。

では筋肉が減るとどうなるか?。その分、細くなるのではありません。減った鳥肉はその分、脂肪に置き換わります。これが、「体脂肪」と呼ばれる脂肪です。肥満は、エネルギーの「摂取」と「消費」のバランスが悪くなることで起こります。

摂取エネルギーは、食べたり飲んだりする量が多いほど、また、カロリーの高い食材が多いほど増えます。そして摂取エネルギーが消費エネルギーを上回れば、消費されずに残ったエネルギーが体脂肪となり、それが蓄積されて肥満になるのです。消費エネルギーは、「体を維持するエネルギー」と「体を動かすエネルギー」の2つに大きく分けられます。ここでポイントになるのは「体を維持するエネルギー」。
体はじっとしているときでも、呼吸をしたり、体温を保ったり、心臓を動かしたりと、「体を維持するエネルギー」が必要です。これを「基礎代謝」と言い、その量を「基礎代謝量」と呼びます。「体を維持するエネルギー」は、おもに筋肉でつくられます。つまり、筋肉の量の多い人は基礎代謝量が多く、筋肉の量の少ない人は基礎代謝量も少ないということになります。ですから、筋肉の量が減ると基礎代謝量が低下し、摂取エネルギーの量が消費エネルギーの量を上回って「太りやすい体」になります。

そして、お腹が徐々に出てくるわけです。これが、「歳をとると太りやすくなる」仕組みです。基礎代謝量は、10代後半にピークに達して以降、低下していきます。40代を境にして、その低下の度合いが大きくなります。これを放っておけば、50代から60代になるとガクンと落ちます。
ここに、40歳になったら、「太らない体」をつくらなければならない理由があるのです。基礎代謝量は性別、年齢、体重によって異なります。各年代の平均的な基礎代謝量は、「基準体重×基準基礎代謝値」で求められます。「基準体重」はそれぞれの年代の平均的な体重で、「基準基礎代謝値」とは、体重一キログラムあたりの消費エネルギー量です。男性の年代別の一日の平均的な基礎代謝量は、およそ以下のようになります。

数字から見る「中年以降が太りやすい理由」

基礎代謝量kcal 1550 1500 1350 1220
年代 20代 30~40代 50~60代 70代
平均体重 64.5 67.0 63.0 57.0
平均基準基礎代謝値(kcal) 24.0 24.0 22.3 21.5

平均基準基礎代謝値を見ると、20代→30~40代→50~60代のところが太る太らないの境目になっていることがわかります。

これはあくまでも目安ですが40代を無為に過ごすと、10年後、20年後に大きな落差となって自分にはね返ってくることが、おわかりいただけると思います。

年をとっても「若さを感じるフレッシュ」な習慣

太りやすい体は体からどんどん若さを失います。「太りやすい体」は老化の象徴のようなものですから、それも当たり前の話です。
「体が太る」と、「髪が薄くなった」「顔にシワやたるみができた」「視力が低下した」「息切れがする」といった老化現象が、しだいに現れてきます。

逆に言えば、「太らない体」をつくれば、若ささを保てるということです。「太らない体」は、食事と睡眠、適度な運動など、普段のした工夫によって簡単につくることができます。
「太りやすい体」は老化によって生じるのですから、若い体は「太らない体」と言ってもよいでしょう。「太らない体」の具体的なつくり方については、2章以降で紹介します。

「人間は外見じゃない。中身だよ」などと言いつつ、「人からどう見られているか」はつねに気になるものです。ファッションだけではなく、体そのものが実年齢より若く見られるとうれしくなります。たとえば、40代になってはじめてのクラス会かつての級友と自分を比べて「自分はまだ若い」と安心したり、「自分は老けたな」とショックを受けたりするものです。みんな同じ歳なのに、40代は「うらやましいほど若々しい人」と「妙に老けている人」の違いがハッキリ出てくる世代と言っていいでしょう。

「40代は、体の曲がり角」なのです。とくに、男性は女性に比べて、この変化の個人差が激しいようです。それには理由があります。
この時期、男性ホルモンの分泌が少なくなりはじめるからです。その影響で、人によっては骨格や筋肉が衰えたり、体力、気力が弱くなります。それが「40代でも若い人」「40代で老けた人」の差なのです。
ですから、お腹が出はじめたら、「オヤジ」っぼくなるのも時間の問題だと思わなければなりません。「見た目」は、老化速度のバロメーターなのです。
さらに「太らない体」は、それだけで生活習慣病の予防になります。すでに生活習慣病を持っていても、「太らない体」をつくれば、その改善が図れます。また、50代、60代でお腹が出ていたとしても、「太らない体」への改造は可能です。この方法は「アンチエイジング(抗加齢) 医療」に基づくもので、肌にハリやツヤが戻るといった美容的な若返りも間違いなくできます。